2016/07
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PAIZA CASINO
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春ちゃん
私は不良品だった

不良品は不良品なりに

気張ってきた

自分で気張ってきたという事自体未熟かもしれない

・・・

私は非力で運動神経も悪く頭もよくなかった

誰よりも一つだけ一つだけ秀でた事がほしかった

一つだけでも一度だけでもヒーローになりたかった

それは

・・・

私は中学生の頃いじめられっ子だった

友達はいなかった

実際はいたが相手にしてくれなかった

本当の友達なんかいないと思った

友達はゲームだけだった

中学入った頃は成績は良かったが

次第にいじめられるようになってからすべてくるっていった

幼少のころから始めていたテニスも投げ出した

部活に行くと私の体操着はいつも無かった

30着以上買ってもらったと思う

そんな状態で部活にも参加しなくなっていった

中学生の頃

今より白髪があった

頭の30%白髪だった

私は次第に腐っていった

学校も行くふりをして

毎日家に帰っていた

勉強もしなくなり

部活も全く参加しなくなった

でもテニスは好きだった

・・

いつも少し離れたテニスコートで壁打ちをしてた

毎日毎日してた

うっぷんを晴らすかのように打ちまくっていた

誰にも負けないスキルを手に入れたかった

私はいじめられ誰にも相手されていないが

テニスだけはうまいんだ!

そう言える・・

自分に誰にも負けない勲章がほしかった

誰とも話さなかった

話しかける人もいなかった

ラケットは学校に持っていくと折られたりゴミに出されたりするので

常に家に置いていた

部活はもはや参加しなかった

毎日毎日

一人で

壁打ちしてた

手が豆で小豆のようになっても続けた

母ちゃんは

ラケットも靴も球も私が言った分だけ買ってくれた

イジメに関しては何も聞かれなかった

・・・

夏休みになった

・・

私はいつも通り

部活にはいかず

壁打ちをしてた

毎日毎日・・

永遠と・・永久に・・

その時は本気で思っていた

プロテニスプレイヤーになって見返してやる

いじめたやつらを見返してやる

時に泣きながら球を打っていた

・・・

夏休みだっただろうか・・

登校日だった

私は嫌で仕方なかった

上靴はあるだろうか・・

私の席はあるのだろうか・・

また机に落書きされていないだろうか・・

憂鬱で仕方なかった

学校につくといつもの罵声が飛ぶ

もう慣れたが

”あれお前誰だっけ”

”よく来れたな”

私は気にせず(気にはなる)

席に着いた・・

早く終わることばかり気にしながら

先生の話をうわの空で聞いていた

・・・

蝉の鳴き声がうるさい・・

早く帰って一人になりたい

この空間から早く脱出したい

そればかり考えていた

・・・

よくわからないプリントを配りだし

やっと終わりか・・

何気なく机に手を伸ばした

違和感があった・・

なんだろうまたいやがらせか・・

机の上に何か紙が貼りつけられている・・

私は見たくもなかったが

手に取ってうつむき加減でそれをはぎとりちらっと見た

今でも鮮明に覚えている

キティの便せんだった

・・・

いやがらせか・・

私は登校日が終わるとダッシュで階段を下り

家に走った

早く帰らないとトラブルになる

・・

安全地帯に入って何気なくその便せんを開けた

中には当時はやった蛍光ペンで

”壁打ちいつもしてるね、ぬこ君なんで部活に出ないの?いじめられてるから?そんな事気にしないで、応援してるよ!Hより”

と書いていた

私はいつものからかいだと思い捨てようとしたが

なぜか持っていた

嘘でもいいから持っていたかった

・・・

その数日後だろうか・・

部活の担任から電話がかかってきた

”ぬこ・・お前やめるんか?お前の兄は頑張ってたのにお前は投げ出すんか?”

私は次の日からしぶしぶ部活に出た

兄と比べられるのが嫌だったからだ

兄に負けたくなかった

・・

誰お前?

的な空気に必死に耐えながら部活に顔を出した

当時ランク戦ってのがあって

レギュラーを決める目安にする校内での試合だった

私はよくわからない相手とダブルスをくまされうっぷんを晴らすかのよう打ちまくっていた

・・・

数試合後

”ぬこ、お前○○先輩と組んでみろ”

と先生に言われた

先輩は優しくてテニスがうまかった

初めて人にやさしくされたと感じた

たくさんアドバイスくれた

話がそれるが・・

その先輩・・

知っている人は少ないと思うが

この貞子ハウスに住むにあたって

お世話になった

”不動産屋店長佐々木の兄”

だったのだ・・

こんなミラクルな偶然あるのだろうか・・

・・・

そこから私のテニス部活ライフは一変した

皆の見る目が変わり

私は先輩に可愛がられた

先生の態度も変わった

県予選も佐々木先輩と組んで準優勝出来た

・・・

夏休みも終わり

・・・

県大会に出る部員が体育館で紹介される場があった

でも・・

まだいじめられていた私は嫌で仕方なかった

どんな罵声が飛ぶのだろう

でも佐々木先輩も一緒だから大丈夫かな

そう思っていた

・・・

紹介される時

佐々木先輩の学年は拍手喝采だった

でも私の学年はシーンとしてた・・

その時だった・・

一人だけ大きな手拍子で拍手してくれる女子がいた

・・・

春ちゃんだった

・・・

私は走馬灯のようにあの手紙のHの文字が頭に浮かんだ

Hって・・

まさか

春ちゃん・・

まじか・・

現実なのか・・

春ちゃんは女子テニス部キャプテンで

すごくチャーミングで

そして可愛い・・

私はそこからのことは覚えていない

頭の中は

ぽわぁ~んとして・・

夢心地で・・

先月殴られた時の脳震盪のような感覚で・・

私は春ちゃんの方を見ることができなかった

・・・

それから秋季県大会の練習に頑張った

女子テニスも近くで練習しているのだが

春ちゃんと目が合うことすらなかった

やはり壮絶ないじめのいたずらなのだろうか・・

そう思いだしていた

佐々木先輩はすごくうまくて

迷惑かからないようするのが精いっぱいだった

そんな毎日が続いた

・・・

県大会前日だった

その日は次の日早いので練習も軽めで

早く終わった

私はその時はテニス部先輩グループに守られた地位を確立出来ていたので

いじめが苦にならなくなっていた 部活が楽しくて仕方なかった

・・・

部室にいつも通り先輩と雑談しながら戻っていた

・・

その時だった

「ぬこ君」

私は振り返った

・・・

春ちゃんだった

ぬこ「えっ・・」

春「えと・・明日・・頑張ってね」

ぬこ「えっ・・」

春「佐々木先輩うまいけどぬこ君も見劣りしないよ」

ぬこ「えっ・・」

春「私見てるから・・見てたから」

ぬこ「えっ・・」

春「これ・・」

ぬこ「えっ・・」

私は言葉が全く出てこなかった  えっとしか言えない

春ちゃんは自分の手首から当時はやっていたミサンガをとって私に手渡してくれた

ぬこ「これ・・」

春「これ私の気持ち、明日つけてくれたらうれしいな」

ぬこ「えっ・・」

・・・

私の手のひらにそれを遠慮がちに渡して春ちゃんはトコトコ走って帰ってしまった

・・・

私は混乱した

思春期の私にとってこれほどまで刺激的な出来事はなかった

まだ残暑が残る暑さ

それとは違った熱さを私は感じた

初めての感情だった

・・・

次の日までの時間は記憶にない

まるでない

・・・

早朝にバスで今住んでいる近くの競技場に行った

ミサンガをしっかり手首に巻いて

暑い日だった

私は佐々木先輩と入念にお互いのサインを決め

試合に挑んだ

佐々木先輩のおかげで

私たちは順調に勝ち進んだ

準決勝前だっただろうか・・

私は空き時間にご飯を食べていた

母ちゃんが作ってくれた爆弾おにぎりだ

母ちゃんらしくどでかくて梅やら昆布やら大量に入ったある意味手抜きのおにぎりだった

でもおいしかった

・・・

佐々木先輩「おい!ぬこ!春ちゃん優勝したぞ!」

佐々木先輩はにやにやした顔でそう言ってきた

女子も同じ場所でしている

ぬこ「本当ですか!すごいっす!」

佐々木先輩「負けてられんぞ!」

・・・

私は・・

私は・・

絶対・・

勝つ・・

・・・

詳しく覚えていない

ただ・・

春ちゃんが応援席にいてくれて

大きな声で

応援歌歌ってくれて

佐々木先輩が頑張って

でも・・

私が足をひっぱって

気づけば負けていた

私は試合後のあいさつにも行けないほどふらふらだった

涙も出なくて

唸り声しか出なかった

佐々木先輩が優しく

声をかけてくれて

その後放心状態で

・・・

初めて井の中の蛙ということを知った

・・・

帰りのバスも覚えていなくて

学校に戻っても

フラフラして

・・・

佐々木先輩にお礼と謝罪をして

優しく気遣ってくれて

・・・

自転車置き場につく頃には日も暮れかかっていた

・・・

「一緒に帰ろ~」

明るい声だった

春ちゃんだった

ぬこ「いいよ、一人で帰る、おめでとう、すごかったらしいね」

春「・・」

長く感じる時間が流れた

・・・
春「勝ってたよ!ぬこ君!勝ってたよ!絶対次負けないよ!」

ぬこ「・・」

春「帰ろ~よ~」

ぬこ「・・」

お互いダサいヘルメットを着けてキコキコペダルをこぎだした

・・・

ずっと沈黙だった

お互いの家路につく分かれ道に差し掛かったころだろうか・・

・・

春「ごめんね・・私のミサンガのせいだよね、勝手な事してごめん」

・・・

ぬこ「・・・うれしい・・でも悔しい・・でもうれしい」

春「・・」

ぬこ「これ何のためにくれたの?」

春「つけて欲しい人にあげたかっただけ・・ずっとつけててくれるかな・・」

ぬこ「うん」

・・・

ヒグラシの鳴き声がする中

春ちゃんは私の言葉を聞いて

真っ黒に焼けた顔で

笑顔で

じゃ~また明日ね~

って

言い残して帰って行った

私はミサンガをずっと見ていた

家に帰って

母ちゃんに

ありったけの笑顔で

頑張ったけど負けたわ~

って報告した

母ちゃんは

「そうか~ようやったな~今日はすき焼きやで~」

・・・

懐かしい記憶・・

その後・・

春ちゃんとしばらくすごした

ミサンガは

今では色あせているが

思い出は色あせていない




































ぬこにメールしてやる
PAIZA CASINO


 
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